Nora(ノラ)は、Choc v1 ロープロファイルスイッチを使用する、狭ピッチの一体型キーボードです。
姉妹機Jones(ジョーンズ)と同様の、2行目と3行目にずれのない左右対称の配列が特徴です。
専用のボトムプレートや、GH60型,Poker型のロープロファイルケースと組み合わせて使用できます。
名前の由来は、”狭ピッチのJonesキーボード”からの連想で…
狭ピッチのJones → ナロー・ジョーンズ → ノラ・ジョーンズ → ノラ
Narrow Jones --> Norah Jones --> Norah --> Nora
という具合の言葉遊びで、Nora(ノラ)に決まりました。
Nora is a narrow pitch keyboard with Choc v1 low profile switches.
It has symmetrical gapless R2-R3 row, like Jones.
Original bottom plate and GH60/Poker compatible low profile cases are supported.
このNoraキーボードは、
”一般的なキーボードのキー配列に不満があり、より良いタイピングポジションを求めている方”
を対象に作られています。
特に、
”一般的なキーボードと違いすぎないキーボードを求めている方”
におすすめします。
- 「Chocスイッチの狭ピッチを60%ケースに入れたら、1列増えて65%キーボードができちゃうのでは?」という思いつき。
- 一般的なキーピッチの19.05mmで打鍵がつらいのを、狭ピッチで楽にしたい。
- 「狭ピッチは浅いストロークの方が打鍵しやすい」という経験から、Chocスイッチを採用。
- MBKキーキャップって格好良いじゃんか。
- Jonesの横方向(行方向)のずれかたや、左右対称のアルファ部に満足している。
- 一般的なキーボードのレイアウトから大きく変えずに、打鍵しやすくする。
- キー数は60%くらいで、数字行がついているものが使いたい。
- GH60型のケースに対応させ、ケース設計をメイン作業に含めない。
- これくらいの狭ピッチなら、通常のキーボードと何ら変わらず打鍵できることを伝えたい。
Kailh Chocスイッチとそれに対応するキーキャップを使用することで、一般的なキーボードよりもキーピッチが狭くなっています。
60%キーボードのサイズに16列を配置するため、Choc用キーキャップのキーピッチ(たて17mm×よこ18mm)よりも横方向を少し狭く(たて17mm×よこ約17.86mm)しています。
横方向のキーピッチは、MBKまたはそれ以下のサイズのChoc用キーキャップの使用を前提とした設計です。
キーピッチの比較
上:一般的なキーピッチの60%キーボード、HHKB Professional。5行15列。
下:狭ピッチ設計のNora。5行16列(1列多い)。
キーレイアウトはJonesのレイアウトを元に設計しており、2行目と3行目にずれのない左右対称のキーレイアウトです。
Jones(上)とNora(下)。
どちらも2行目と3行目にずれがなく、左右対称。
詳しくは次の項目を参照してください。
狭ピッチの一体型キーボードというコンセプトを元に、ふたつのレイアウトスタイルを作成しました。
- Nora, Fearless Wings
- Nora, 1.8k
各スタイルの特徴は以下の通りです。
左右に大きく離れたアルファ部が特徴のレイアウトスタイルです。
Keyboard Layout Editor: Nora, Fearless Wings family
アルファ部を左右へ大きく離すことで打鍵時の肘・腕・手首・指先の位置を最適化し、快適な運指と、肩や腕への負担軽減を目指しています。
手首をあまり持ち上げないスタイルでも快適に打鍵できるように、最下行の左右の端にはキーを配置せず、手のひらにキーが当たる不快感を無くしています。
Z
キーを外側へずらして、SemiErgoのような完全に左右対称のレイアウトも構成できます。
キー配置とロータリーエンコーダの有無により、3つのバリエーションがあります。
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Fullレイアウト
左右に離れたアルファ部の間を、すべて埋めたレイアウトです。
65〜70%キーボードに相当する71個のキーは、多くのキーを必要とする方に適しています。
中央部に記号キーやカーソルを配置したり、テンキーやマクロキーを配置したりできます。 -
FWレイアウト
Fullレイアウトから中央部の7キーを取り除き、真ん中に隙間のあるレイアウトです。
60%キーボードに相当する64キーをもち、必要十分なキー数を確保しています。
ホームポジションから手を移動させず、レイヤー内のキーを打鍵するのが快適な方に適しています。 -
REレイアウト
FWレイアウトの中央にロータリーエンコーダを配置したレイアウトです。
4行目の中央をFWレイアウトから2キー減らし、直径35mmまでのノブに対応しています。
アルファ部の右側にテンキーを配置し、少し下へ飛びだしたカーソルキーが特徴のレイアウトスタイルです。
Keyboard Layout Editor: Nora
一般的なキーボードをコンパクトにまとめたようなキー配置になっています。
キー数が多く、記号やカーソルなどを物理的に配置することができます。
試作版でロードテストをおこなった結果、狭ピッチで左右の手が中央へ近づいて肩や腕、親指まわりが窮屈になり、長時間の使用には向かないことがわかりました。
日常的に使用する上での快適さを満たせないため、1.8kは開発を停止しています。
MCUにATmega32u4を採用し、QMKファームウェアによって動作します。
RemapやVIAなどのキーマップ書き換えツールに対応しており、ファームウェアを書き換えることなく、キーの割り当てを変更することができます。
外部EEPROMを搭載したことで、RemapやVIA使用時にも多くのレイヤーを使用することができます。
出荷時に書き込まれている初期ファームウェアでは、10個のレイヤーを使用可能です。
キット同梱のボトムプレートと組み合わせれば、ケースレスで使用できます。
ケースを使用する場合に比べてキーボードの高さを低く抑えることができ、手首の負担軽減などに有効です。
また、GH60型やPoker型に互換性のある、ロープロファイルケースと組み合わせて使用することもできます。
→ビルド例
レイヤーの状態を表示するインジケータや、イルミネーションとして使用できるキーバックライトLEDを、すべてのキーへ取り付けできます。
実験的機能として、Raspberry Pi PICOで動作させることができます。
キーマトリクス、LED、I2Cに配線をつないであるので、DIYで楽しんでください。
PRK Firmwareを使用して、キー入力とLEDの点灯を確認済みです。
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最新版
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過去版
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Fearless Wings v.1(DN0032), 2022年3月中旬
組み立てやすさを向上。
ロータリーエンコーダのノブサイズ拡大のため、REレイアウトの最下行中央のキーを削除。
細部を調整。
DN0031組み立てアンケートの内容を反映。 -
Fearless Wings DN0031, 2022年1月下旬
スペースキーより内側のキーに親指が届きやすいように、最下行を外側へ0.25u移動。
ロータリーエンコーダ付きのレイアウトを追加。
組み立てやすさを向上。 少数頒布。 -
Fearless Wings DN0030, 2022年1月上旬
DN0020を元にレイアウトを変更。
全キーへLEDを配置。
Jonesとの共用ボトムプレートを、PICOの取り付けに対応する切り欠きをつけて更新。 -
1.8k DN0020, 2021年12月中旬
1.8k v.0.1の試作結果を反映。
全キーをKailhソケットに変更。
現在のところ基板設計のみ。未製造。 -
1.8k v.0.1, 2021年12月上旬
試作1号機、完成。
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1.8k v.0, 2021年11月上旬
60%ケースにChocスイッチを配置して、65%キーボードにするアイデアを思いつく。