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ゲーム開発者の生活の質

11/26/2004 08:25:44 PM

私は IGDA というグループに参加しているが、
たまに Open Mail という書簡が届く。
最近届いたのは、 "Quality of Life Issues are Holding Back the Game Industry"
というタイトルで、ゲーム開発者の生活の質が悪いと業界が衰退してしまう
という話だ。これには反論の余地はなく、開発会社の経営者の共通の課題として、
経営者同士で会うときには、かならず話に登る。

今日はこれについて考えた。

たとえばオンラインゲームの開発と運営において、
24時間運営で土日祭日はちゃんと交代制とし、ユーザーからのメール返信を48時間以内に返し、
かつゲーム内容もちゃんと発展させていきたい場合、1日8時間労働で
夜間・休日勤務の手当てなどを文字通りまじめに実行すると、
まずそれが可能な企業は日本に数社しかない(年商100億円以上のゲーム企業)。
それらの大企業においても、ゲーム開発者、メンテナの労働時間は、
朝10時から終電、泊まりこみはあたりまえなので、もしかすると「正しい労働環境」
を文字通り実現できる会社は存在しないのかもしれない。

ゲームに限らず、すべての職場において仕事ができる人のところに仕事が集まる
のは当然なので、仕事ができる人が不足している業界では、
仕事ができる人が終電で帰るのは、仕方のないことかもしれない。

今後は、「プレイヤーの時間を大量に奪うゲーム」からの脱脚ばかりではなく、
「開発者の時間を大量に奪うゲーム」からの脱脚にも挑戦しないといけないが、
実は、プレイヤーの時間を大量に奪うゲーム内容が、開発者の時間を大量に奪う
原因になっているように思う。
こう考えればよい。つまり、プレイヤーのいちばん大事な財産である「時間」を「お金」と
言いかえる。さらに、ゲーム運営会社を「銀行」と置きかえる。
ゲームをプレイすることは、銀行にお金を預けることに等しい。
プレイヤーがたくさんのお金を銀行に預けるほど、銀行は、高レベルな
サービスを提供する必要が出てくるのは当然のことだ。
巨大な資金を受けいれる会社は体力が必要なのだ。

こういう事から、小さな会社ほど、「1日10分だけやるゲーム」みたいな
方向性を目指すべきだということになる。
小さな開発会社と大きなパブリッシャーが組んで販売する場合でも、
コア部分の改善作業を小さな会社が担当している限り、
仕事ができる人に仕事が集まるので、やはり、1日10分モデルにすべきである。

もちろん、短かい時間でもたくさん楽しめる内容が必要だが。

まだまだ課題が山積みだ。